活動理念

サッカーは楽しくなければなりません。サッカーが楽しくなれば自然にサッカーが好きになるでしょう。そして、サッカーが好きになればどんどん上達するでしょう。なぜなら、サッカーに対して自主的に考えて行動できるようになるからです。サッカーは自分で状況把握をして行動するスポーツなので自主性が大切です。なので、サッカーが好きになるためにはサッカーが楽しくなくてはなりません。まず、それが１番です。そして、その楽しむサッカーの中で我々は個人スキルを向上させる集団を形成したいのです。最近のU-12のチームは勝ちを求めるチームか、ただ単に個人スキルを高めるチームの２つに大きく分かれると思います。我々はそうではないと思っています。本田や香川や長友のようなトップの選手達も、海外に出てみれば自分達の個人スキルが未熟だと痛感していると語っています。それを聞くと個人スキルの向上だけで良いのかと思われる方もいるかもしれません。しかし、サッカーは集団で行うスポーツです。その高めた個人スキルを集団の中で生かせなければ何もなりません。

サッカーの上手さとはどういうことなのでしょうか？まずこの点をはっきりさせないといけません。サッカーの上手さとは、ゲームの中で状況の把握をして、その状況に合ったプレーを選択し、それをしっかり実行できる選手が本当のサッカーの上手さだと思います。ということは個人スキルをただただ高めただけではサッカーのゲームでの判断力向上が見込めるかと言ったら不鮮明です。なので、個人スキルを向上させながら、サッカーはチームのスポーツだということを幼少期から伝えることが重要なのです。
かと言って、幼少期からポジションを付けて選手をロボットのように指導者が動かす事は自主性を消してしまうので良くありません。SUN UNITEDでは、中学年年代まではポジション無しでいろいろな考えを持つような環境でゲームをさせています。サッカーもまだよく分からない中学年年代にポジションを決めてゲームを行わせても、ポジションに関係なく動きまわってしまうでしょう。それを指導者がポジションを守らせるために押さえつけてしまう。そうすれば、選手達はそのポジションを守ることが重要だと思ってしまいます。そうするとこういう弊害が出てきます。ゲーム中あるポジションの選手から離れたところでピンチになっています。味方はそのピンチになっているところの近くにいなく、得点を奪われそうになっています。すると指導者が
『なんでピンチなのに守りにいかなかった？』
選手が
『だって、ポジションを守らなきゃだから…』
するとスゴイ顔で指導者が
『バカッ！そういう時は守りに行っていいんだっ！！』
とか言い出します。選手はもうどうしていいか分からなくなります。全く選手の考えがプレーに反映されなくなっています。選手達が自分で感じたことで自主的に動く力を削いでしまっています。ピンチであれば守る。チャンスであれば攻める。シンプルで良いのです。

では、ポジション無しで何も行動を起こさない選手にはどうすれば良いのか…。
今何を考えてる？ボールはどう？味方はどう？相手はどう？と選手に考える時間を与えてあげれば良いのです。
サッカーは自分で考えて行動を起こす事が重要です。受け身の行動だったり、指示を待って動いたりでは遅いのです。自分で自主的に状況を把握し、その把握したことを元に判断を下しプレーに移す。なので、ドリブルしろとも言いませんし、パスしろとも言いませんし、シュートしろとも言いません。選手が考えて起こしたプレーを尊重しています。ただ、それが正しいプレーだったのか否かをしっかり問いかけます。
選手達が向上していく為には、正しくなかったプレーをしっかりと見極めて原因を追求し、失敗を繰り返さないように努めることが重要です。
それでもミスは生まれます。もちろんミスはたくさんしても良いのです。ただ、最近の選手達を見ているとそのミスをそのままにしてしまう傾向にあります。プロのサッカー選手も必ずミスをします。ただ、先にも述べましたがそのミスを直そうとするかしないかが重要です。

では、なぜ直そうとしないのか…。
少し厳しい言い方をしますが、普段のお子様の行動に手をかけ過ぎ、手を差し伸べ過ぎが原因だと思います。日常生活でもどんな時でも、お子様に対してどう接していますか？お子様が苦境に立たされた時どのような対応をしていますか？すぐに解決方法を提案したり、すぐに手を出してあげたりしていませんか？
それでは自分で解決する能力、考える能力はつかないと思います。お子様が少し大変な思いをしてもさせても良いので、自分で考える時間を与えてあげてください。良い意味での放ったらかしが成長するには必要です。自分で考える能力を身に付ける事が重要です。教え過ぎたり、伝え過ぎてしまうと自分で考える能力がつかなくなってしまいます。なので、我々のクラブ活動の中では１歩離れて選手達を見守る時があります。例えば転んだときや、少し困難に陥っているな…と思ったときは、少しの間放っておきます。こちらから、こうしなさい、ああしなさいとは言いません。重要な怪我でなければ、まず自分で立たせます。プレーを続けられるのか、それとも少し休憩するのかも自分自身で決めさせます。どうする？続けられる？それとも休む？これぐらいでいいのです。サッカーをやらされる事が選手達にとって向上しない１番の理由です。自ら進んで行動する事がサッカーにしても学校にしても普段の生活にしても重要だと思います。なので、あまり決まった事にこだわらないようにしています。挨拶やストレッチや用具の片付け等こちらからこうしようと言う提案はあまりしていません。自ら考えて行動できるように指導しています。それが社会に出た時にとても重要になるからです。自ら考えて、自ら進んで行動するようになるには、やはりサッカーを楽しみ、サッカーが好きになることでしょう。

だからサッカーは楽しまなければなりません。
これからもサッカーを楽しみながら、個を育てる集団を作っていきたいと思います。